「イキたくなったらPC筋で射精を止めればよいのです」
という早漏改善法はあちこちに書かれていますよね。
すぐにイキそうになっても力技で止めることができれば、一瞬で問題解決です。
ところが、医学的にはPC筋を鍛えても射精を遅らせることはできません。
人間の射精は、「反射」だから自分の意思で止めることはできないのです。
「え!そんなこと言ってもPC筋を鍛えて早漏を治すってあちこちに書いてありますけど」
と思うかもしれませんが、医学的には不可能な話。
そこで、射精のメカニズム、PC筋を鍛えることで射精をコントロールできない理由と弊害、そして、PC筋で射精を止めることができるという噂が蔓延する理由を解説していきたいと思います。
PC筋を鍛えるだけで、早漏を改善しようと思っている人はひとまず目を通してください。
早漏、遅漏問わず射精は止めることが出来ない
さきほどからしつこいようですが、射精を止めることはできません。
これは、早漏男性だけではなく、遅漏の男性でも同じこと。
そうは言ってもPC筋を鍛えると早漏が改善されるという情報があまりにも多いので、いきなり「射精は止められない」と言われても納得できませんよね。
そこで、医学論文を用いて、射精を止めることができない根拠をお話したいと思います。
男性の射精のメカニズムとは
まずは男性の射精のメカニズムを知っておきましょう。
男性の勃起後、射精するまでをつかさどっているのは、脳ではなく脊髄にある射精反射中枢です。
1970年に発表された東北大学医学部泌尿器科木村行雄氏の「射精の研究」という論文によると、視覚や触覚、聴覚などで得られた性的刺激は胸や腰の交感神経を経由して、神経の興奮させ、さらに陰部神経を経由して仙髄の刺激により射精が引き起こされます。
参考サイト:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1928/61/3/61_3_284/_pdf
その証拠に、事故などで射精反射中枢を損傷してしまうと、自力で射精をすることができません。
難しくなりましたが、要するに「射精は脳による指令じゃなくて脊髄による反射反応」ということです。
反射とは、人間が自分の意思とは関係なく起こってしまう身体の反応。
有名な反射といえば「明るい場所では瞳孔が収縮する」「鼻の中をくすぐるとくしゃみがでる」などです。
凄くまぶしい時に、目を閉じるのを自力で我慢することはできても、瞳孔の収縮までは我慢できませんよね。
だから、イキそうなのに我慢するのはほぼ不可能なのです。
射精が反射である証拠→バイブや電気刺激による強制射精
若いうちに交通事故などで脊髄を損傷してしまい、自力で射精をすることができなくなった患者さんが子供を望む場合は、人工的に射精を起こすことができます。
それが、バイブや電気刺激による射精です。
射精反射中枢や、そこにつながる神経回路が損傷していても、バイブによる刺激や直腸に電気刺激を送ることで人工的に射精させることができるのです。
参考サイト:http://www.jscf.org/SIRYOU/igaku-1/igaku1.htm
このことからも、射精が「反射」であることが分かりますよね。
チカラ技で射精を止めたら鼓膜が破れた!?
AV男優しみけんさんが体験した、射精を止めて鼓膜が破裂しかけたお話です。
射精を止めるたびに右耳から「バツン!」って音がするようになって右耳が聞こえにくくなった来たんですよね。
それで医者に行ったら「耳に圧力がかかって鼓膜がダメージ受けてる」って言われてやめました。
しみけんさんは筋肉と勃起力を鍛えるために、常人では真似できない超絶ストイックな生活を送っています。
そんな筋肉お化けのしみけんさんの筋力をもってすれば、なんとか射精を止めることができたものの、鼓膜が耐えられなかったのです。
要するに、人間の体が耐えられるレベルの力では射精を止めることができないのです。
まとめ
射精は、脊髄の反射によって引き起こされるので、自分の意思で止めたり出したりすることはほぼできません。
一部の超人的筋肉をもった人が本気でPC筋に力を入れれば、止めることは不可能ではありませんが、鼓膜が破裂しかけた例もあります。
つまり僕たち庶民が、1日数分トレーニングするくらいでは射精は止まりませんし、もし毎日数時間に渡る激しいトレーニングで止めることが出来るようになったとしても、体のどこかに負担がかかりすぎて取り返しのつかない状態に陥る可能性が高いということです。
PC筋を鍛えて射精を我慢するよりも、もっと体への負担が少なく効果的な早漏改善法を実践するようにしましょう。